生木地蔵 正善寺の口コミ
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四国別格二十霊場第十一番札所生木地蔵(生木山正善寺)は、福岡八幡宮が鎮座する四尾山(おしぶやま)と呼ばれる小山の麓に位置しています。
青葉の生い茂る一本の楠に、そのままお姿を刻まれたお地蔵さまであることから、古くから「生木のお地蔵さま」と呼び親しまれてきました。
その御縁起をたどりますと、弘法大師空海が一切衆生を救わんとの願いのもと、四国八十八カ所の霊場を開くべく山々を経巡っていた折、思いがけずこの四尾山の麓で一夜を過ごすことになったことに始まると伝えられています。
その夜、大師はこの山にただならぬ光を感じ取り、明け方には紫雲がたなびくとともに、みごとな楠の大木を目にされたといいます。
そこへ気高い童子が姿を現し、これは仏が童子の姿をとって示された御告げであると悟った大師は、三度礼拝したのち、その夜のうちにこの楠へ一刀三礼の心で御霊刀をふるい、延命地蔵大菩薩の御尊像を彫り上げられました。
暁を迎えると、大師は雲水をもって閼伽水となし、開眼の秘儀を済ませたのち、そのままこの地を去られたと伝えられています。
これが、大師がわずか一夜のうちに刻まれたという、海内随一と称される「生木のお地蔵さま」の由来です。
なお、この彫刻の際には天邪鬼が鶏の鳴きまねをして夜明けを告げたため、大師が急いで立ち去ることとなり、地蔵の片方の耳を刻み残されたままになったという逸話も伝わっています。
長らく霊木として崇められてきたこの楠の大木は、昭和29年(1954年)9月26日、日本を襲った洞爺丸台風の激しい風により、ついに根元から倒れてしまいました。
しかし、大師御自作と伝わるお地蔵さまは倒れることなく、昔ながらのお姿のまま無事にとどまったといいます。
倒れた楠は樹齢およそ1200年と推定され、お堂を建ててその御姿が祀られるとともに、倒木そのものも現在、本堂に向かって左側に大切に安置されています。
平成31年(2019年)3月21日には大師堂が再建され、あわせて修繕を終えた大師像も無事に落慶を迎えました。
一夜のうちに大師が刻まれたと伝わる生木のお地蔵さまは、幾星霜を経てなお変わらぬお姿で、今日も多くの参拝者を静かに見守り続けています。
一夜にて 願いを立つる みこころは 幾代かはらぬ 楠のみどりば
2026年6月15日(月)
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